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Becauseという名の自転車

:2003.12.18--生活

Bigha_elephants

 自転車を購入するために「使ってもいいかな」と思える金額はどのくらいだろうか。通勤・通学に使うだけなら1万円前後、本格的なサイクリングを楽しむ人で数万円、あとは部品をいいものに変えて使い込むという感じだろうか。――というところで、写真の自転車を見てもらいたい。これ、いくらに見える?実は、ナント30万円以上もするのである。

 桁外れに高価なこの自転車は、オレゴン州コーバリスにあるビグハ(BiGHA)社製、社名と同じく「ビグハ」という名で同社唯一の商品。椅子に座った姿勢で運転するリカンバント(背もたれ型)自転車だ。

 自転車とはとても思えない値段がビグハについている理由は、1点ごとの注文生産、カスタムメイドであることと、非常にぜいたくな技術が使われていることによる。

 ビグハのシートは、足の長さ、リクライニング角度、クッションの角度、深さが調節できる。ステアリングシステムは、自転車として初めてフリクションディスクを使用。ディスクブレーキは、車輪の大きさによって異なる径のものが取り付けられている。27段のギアは片手で簡単に操作できるし、サスペンションは乗る人の体重に合わせて調節済で届けられる。さらに、ハンドル中央部に付いたLCDモニターには、速さ、距離、温湿度、気圧、時間、消費カロリーなどが表示される。もちろんこんな自転車が盗難にあっては大損害、オーナー以外が動かそうとすると100デシベルの盗難アラームが鳴り響く。

 至れり尽くせりという表現がぴったりなビグハの仕様を読んで、「本当にこんな装備が自転車に必要なのかなぁ」という疑問も浮かんでくる。しかし、「自転車に快適に乗るためには必要だ」と固く信じるのが、ビグハの開発者であり同社社長であるジョン・エイカーズ氏である。

 ジョンは元エンジニア兼発明家だ。カジノで使用されるゲームの開発に携わっていた彼がエンジニア時代に取得した特許の数は25にのぼるという。アウトドアファンでもあった彼の自宅があったのがオレゴンのコーリバスだ。彼は隔週で自宅とクライアントのいるラスベガスとの間を移動していたのだが、ある日それが嫌になってしまった。そこで、新しいことを見つけて生活を一挙に変えることにした。

 ジョンは、エンジニアの仕事で貯めたお金を使って小さな自転車会社をつくった。が、モノを創り出すことはジョンにとって“セカンド・ネイチャー”。当然今までにあるような自転車をつくっているだけでは満足できない。「高品質で独創性ががありシンプル、開発する意味のある自転車を作りたい」と考えた彼が決心したのは、乗る人にとって最高に快適な自転車をつくることだった。

 自転車に乗る人にとっての快適さとはどんなものか?工業デザイナー、自転車の専門家、技術者たちを集めて、彼は徹底的に研究した。その結果、完成したのがビグハ。長時間乗っても肩や腰に負担がかからない、エルゴノミック自転車に仕上がった。

 ビグハを販売するにあたって、ジョンはディストリビューターを通さずにインターネットのみで注文を受け付けることにした。消費者から直接注文を受けることによって中間マージンが省けるが、利点はそれだけではない。消費者の要望を直接反映でき、カスタムメイドである強みをさらに強調できるからだ。

 BiGHAとは、アパッチインディアンの言葉でBecause(なぜなら)の意味。それは「どうして価値のあることをやりたいのか」「どうして良いモノをつくりたいのか」という問いかけに答えるジョンの姿勢を表現した言葉だ。

 ビグハは、海外からの購入も送料負担で受け付けている。興味のある方はぜひサイトをチェックしてもらいたい。

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ちまきっくFACTS
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 ここ数年リカンバント自転車のポピュラリティがあがっているんですよ。で、BiGHAも最初は、ちょっとカッコいいリカンバント自転車なのかな、と思って調べてみることにしたんです。そしたら値段がとても高くて驚いて、「一体ナゼ!?」とさらに深く調べて、記事にまとめることになりました。

 リカンバントが人気を得ている理由は、乗りやすい(特に身体の大きい人はね)とか前が見やすいとか、まぁ色々あるわけですが、結局のところ、お尻と泌尿器の問題である、と思います。

 あの、自転車に長時間乗っていると、お尻が痛くなるじゃないですか。で、柔らかい材質でできたサドルが売られてたりするわけですけど(私も持ってます)、やっぱりそれでも痛いものは痛い。しかも男の人の場合、睾丸が圧迫されて健康上ヨロシクないという話もあります。で、リカンバントに乗るのだ!ということになるようです。

 しっかし、ビグハのことを調べていて最も驚いたのは、こんなに高い自転車を売る商売がきちんと成立しているってことでしょうね。ビグハは、正式に販売を始めたのは今年の夏、なのにすでに売上げはすでに米ドルで7桁台に達しているそうです。へー。

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