 
さよなら、ペンキ缶:2002.08.28--生活 メーカーは、消費者の使い勝手や好みを追求して既存の商品に様々な改良を加える。製品だけではなく、その容器・パッケージに対しても同じことが言える。昔とまったく同じ容器に入っているという製品はあまり見かけない。そんな中で、塗装用のペンキは、昔から変わらず同じデザインのブリキの缶に入れられたままだ。しかし、その歴史にもとうとう終止符が打たれた。新しくて使いやすいデザインのペンキ缶が登場した。 1907年に創業されたダッチボーイペイント（Dutch Boy Paint）社は、米国の老舗ペンキメーカーの一つだ。同社のペンキはつい最近まではごく普通のペンキ缶に入っていた。フタはドライバーでこじ開けなければならないし、ペンキをトレイにあけるときには両手で持ってハンドルが濡れないよう注意しなければならない。しかも、トレイにあけたら容器にペンキがついて汚れてしまう。従来のペンキ缶は、長期間店に置かれていても変質しないことを重視した容器で、ペンキを塗る人の使い勝手はまったく考慮されていない。それが、ダッチボーイの新製品「ツイスト＆ポア（Twist & Pour）ペイント容器」で大きく変わった。 ツイスト＆ポア容器は、プラスティック製なのでブリキの容器と違って開封してから長く置いても錆びないし、軽い。フタは片手で簡単に開けられ、容器の一部がハンドルになっている上に、容器や周囲を汚さずペンキをトレイにあけられるように口の部分が工夫されている。また、従来容器に入ったペンキよりも店に置いておける期間が長い。形は従来容器と異なり四角で、このデザインにより販売店では8％も省スペースになる。実際にツイスト＆ポアを見ると、なるほど使いやすそう。「何で今までこういう容器が考え出されなかったんだろう」と感心してしまう。 ダッチボーイペイントがツイスト＆ポアをつくりあげた背景には、実は女性の存在がある。アメリカでは、部屋の内壁の多くがドライウォール（石膏ボード）でできているので、ペンキで色を塗るのが普通だ。もちろん専門業者を雇う家もあるが、家の壁塗りは様々なホームインプルーブメント・ジョブの中でも簡単な方に入るので、自分でやるという人が多い。そこに登場するのが女性だ。 実は、同社が家庭におけるペンキ購入・使用実態について調査を行ったところ、「購入時にペンキのブランドや色を決める人」の52％、「家でペンキを塗る人」の80％以上が女性であることがわかった。ペンキは、女性の声を生かした商品にしなければならない商品だった。「様々なパッケージデザインを全米の消費者に試してもらい、ペンキを塗るプロセスをより簡単に、かつ周囲を汚さないようにするための工夫をこらしました」ダッチボーイのマーケティング・ディレクター、アダム・チャイフ氏は、そう語る。 新しい容器デザインは、消費者からも販売店からも好評だ。ちょっとしたアイデアでこれまでの常識を変えたツイスト＆ポアは、ダッチボーイが商品キャンペーンに使っているコピーの通り“ニートなアイデア”商品だ。 ダッチボーイペイント(Dutch Boy Paint)社サイト： ( http://www.dutchboy.com )  私自身はペンキ塗りってしたことない（というか、ホームインプルーブメント・ジョブというもの自体をやったことがない）んですけど、他人がやるのを眺めていて、従来のペンキ缶は使いにくいだろうなとは思っていました。何が嫌って、ドライバーを差し込めるようフタと容器本体の間にある溝！あれがイヤですね。だって、ペンキが溝にたまって、とれないんだもの。なので、このダッチボーイの“ニートなアイデア”にはぱちぱちと拍手してしまいましたね。   上の記事を1週間に1度、電子メール版として無料でお届けしています。ただし、電子メール版には写真が添付されていませんので、WHJウェブサイトも見に来てくださいね。 こちらでご登録をして下さい。 |
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